輸入者の方へ

税関から認定手続き開始通知書が届いたとき、輸入者は次の手続き行うことができます。

意見・証拠を提出する

侵害するかどうかは特許法等の法律に基づいて判断されます。

並行輸入や無効理由の存在等、技術的・法律的に高度の内容が争点になります。

弁理士等が作成した鑑定書を提出することが一般的です。

輸入しようとする貨物が知的財産権を侵害するかどうかの判断は極めて短い期間で行われます。

したがって輸入者には限られた期間内に迅速な対応が求められます。

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見本検査承認申請に対して意見を述べる

権利者から見本検査の承認申請が提出されると、その内容が輸入者に通知されます。

承認されるための要件は以下の通りです。

  1. 証拠提出・意見陳述のために、見本の分解、性能試験、分析等を行う必要があること
  2. 輸入者の利益が不当に害されるおそれがないこと
  3. 見本の転売等、見本が不当な目的に用いられるおそれがないこと
  4. 見本の運搬、保管又は検査、見本の取扱いを適正に行う能力、資力を有していること

したがって、見本の分解等をすることなく外観等の確認だけで意見・証拠の提出が可能であること

見本検査により営業秘密が権利者に知られることにより、輸入者の利益が不当に害されること

見本の管理に不安があること

などを意見として述べることができます。

また通関解放の請求期限が近づいている場合は、見本検査により意見・証拠を提出するまでに通関解放を請求することが確実であることを述べることもできます。

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見本検査に立ち会う

見本検査の立ち会い見本検査が承認されると検査日時が輸入者に通知されます。

輸入者は申請により見本検査に立ち会うことができます。

なお見本検査には税関職員も立ち会います。

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輸入が認められる平行輸入とは

並行輸入とは外国で売られた本物を正規代理店ルート以外で輸入することを言います。

本物の並行輸入は原則知的財産権の侵害には当たりません。

但し、例外的に侵害となる場合があります。

先ず特許権(実用新案権及び意匠権を含む)に係る並行輸入については、販売先ないし使用地域から日本を除外する内容の記載が明示されている製品を輸入する場合には注意が必要です。

次に商標権に係る並行輸入については、外国の商標権者と日本の商標権者とが同一の関係にない場合、両製品の品質に差異がある場合には注意が必要です。

これら知的財産権に係る並行輸入に対する税関の取り扱いは、関税法基本通達第8節69の11-7に記載されています。

最後に著作権に係る並行輸入については、日本で頒布する目的で輸入する場合には注意が必要です。

何れにしても知的財産権に係る並行輸入については難しい問題が多く、一概に輸入の可否を判断できるものではありません。

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認定手続きが長引いたら通関解放制度を利用する

認定手続中に輸入者が認定手続を取りやめることを求める制度です。

TRIPS協定53条第2項に基づく制度で、一定期間内に侵害の該否が判断されない場合に輸入者からの請求により貨物の輸入が許可されます。

対象となる貨物は特許権、実用新案権、意匠権の侵害するおそれのある貨物に限られます。

また輸入差止申立てが受理されている場合に限られます。

輸入者は貨物が輸入されることにより権利者が被るおそれのある損害を担保するために必要な額の金銭を供託しなければなりません。

供託額は1、2のいづれかとなります。

  1. ライセンス料相当額
  2. 貨物の販売によって得られる輸入者等の利益額(課税価格の20%目安)

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特許庁長官の意見を照会する

特許権、実用新案権、意匠権を侵害するか否かについての認定手続中に、技術的範囲の属否等について、権利者又は輸入者が特許庁長官の意見を聴くことを求める制度です。

特許庁長官から回答があった意見に基づいて侵害の該否が判断されます。

なお育成者権侵害については農林水産大臣意見照会制度、また不正競争防止法違反については経済産業大臣に対する意見照会制度があります。

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輸入同意書を取得する

拳銃・麻薬等と異なり、権利者が輸入に同意している場合は知的財産権の侵害には当たりません。

権利者から取得した輸入同意書を税関に提出すると貨物の輸入が認められます。

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積戻し

認定手続が執られた貨物を、保税地域から輸出(積戻し)することができます。

積戻しする場合は、権利者の同意が必要となります。

但し、商標権・著作(隣接)権を侵害すると認定された貨物の積戻しは認められません。

商標権・著作(隣接)権侵害に係る貨物の積戻しは、認定手続中に行う必要があります。

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侵害部分を切除する

侵害部分を構成する標章を除去等すると侵害には当たりません。

したがって侵害部分の切除等により貨物の輸入が認められます。

なお切除した部分は依然として輸入が認められませんので、任意放棄等の処理が必要です。

任意放棄をする場合は「任意放棄書」を税関長に提出します。

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処分に不服がある場合は不服を申し立てる

差止申立てにおける「不受理」・「保留」又は認定手続における「非該当認定」に対して不服がある場合は、不服を申立てることができます。

不服の申立ては裁判所に対して行う取消訴訟(行訴法14条)と、税関長に対して行う異議申立て(関税法89条)と、があります。

異議申立てに対する決定に対しては、さらに財務大臣に対して審査請求(関税法90条)をすることができます。

審査請求に対する裁決に対しては、裁判所に対して取消訴訟(行訴法14条)を提起することができます。

不服申立てをすることができる期間は処分を通知する書面に記載されています。

異議申立ての場合は処分があったことを知った日の翌日から起算して2ヶ月以内、審査請求の場合は決定があったことを知った日の翌日から起算して1ヶ月以内、取消訴訟の場合は裁決があったことを知った日の翌日から起算して3ヶ月以内で処分または裁決があった日から1年を経過したときは提起することができない、とされています。

税関長の処分に対して異議申立てを行うか、または取消訴訟を提起するかは自由に決めることができます。

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